お知らせ
2022.07.01学術論文
コロナ禍の大学生のマインドフルネスに関する論文が早期公開されました。
2020年の新型コロナウイルス感染症によるパンデミック前後での大学生300名の生活中での過ごし方や感じ方と、マインドフルネス傾向および心理的健康度との関連を示した論文です。Journal of Health Psychology Research (旧: 健康心理学研究) に早期公開されました。
石川 遥至・鴨田 紗弥・陳 潔寅・山上 彩花・宮田 裕光 (2022). COVID-19の感染拡大下における大学生の精神的健康とマインドフルネスの調整効果──生活の変化と現状に着目して── Journal of Health Psychology Research. J-STAGE Advance publication.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhpr/advpub/0/advpub_211102145/_article/-char/ja
2020年のパンデミックに入る前後を比較すると、自宅で過ごす時間やPCの使用時間の大幅な増加、自分がコロナに感染するのではという予期の増大、コロナ関連のメディア報道に触れていると感じる程度の増大などの変化が見られます。
一方で、マインドフルネス傾向が低い場合には、コロナ関連のメディア報道への主観的な接触頻度が、知覚されたストレスの有意な増大につながっているのに対して、マインドフルネス傾向が高い場合にはそうした関連がみられなかったことなども見出されました。
大学生のように、日常的にマインドフルネスを訓練していない人たちであっても、マインドフルな心の持ち方をしていることが、心の健康の保護要因になっているようです。ちょうど今の時代に、とても示唆的な結果といえるのではないでしょうか。