小林 大介(修士課程修了)
プロフィール・研究紹介
補完代替医療 (Complementary and Alternative Medicine: CAM) の1種であるアーユルヴェーダとヨガの研究をしています。アーユルヴェーダはインド発祥の伝統医学で、ヨガは最近の流行で馴染みがあると思いますが、インド発祥の伝統的行法のことです。最近では、ヨガの中のアーサナ (ポーズ) とプラーナヤーマ (呼吸の調整) という行法に注目が集まり、それらの実践を中核としたハタヨガが研究でもよく用いられます。私の研究でも同じく、ハタヨガを研究対象としています。
しかし、私の研究はヨガにアーユルヴェーダの要素を取り入れ、伝統医学との関連からヨガの効果を検討しています。伝統医学では、ヒポクラテスの4体液説や、ガレノスの4気質説など、ヒトを類型的に分類することがよくあります。アーユルヴェーダも同様に、トリドーシャ理論という独自の理論を元に、ヒトを大きく3類型化しています。私の研究では、このトリドーシャ理論とハタヨガを組み合わせ、体質別のヨガの効果について検討しています。簡単にいうと、「その人に適したヨガのポーズ」を探っています。
ここ数年、街中ではヨガの広告を見ることが増え、知り合いにヨガ教室に通い始めた人もいるのではないでしょうか。ヨガは、マットとそれを敷く場所さえあれば手軽にでき、また個人でも集団でもできることから、様々な分野に応用可能な実践であることは間違いありません (実際、医療現場でも応用されています)。しかし、その手軽さゆえに怪我のリスクもあります。自分に合わないポーズを無理に取ろうとしたり、自身の柔軟性を考慮せず、無理に先生の見本に近づけるようにしたりなど、全てのポーズがその人に合っているとは限りません。
アーユルヴェーダとヨガは発祥地が同じであり、両者は伝統的に姉妹のような位置付けとされてきました。アーユルヴェーダは体質論を始めとした、個々人に適した日常的実践、ヨガはアーサナやプラーナヤーマなど、身体的なワークによる日常的実践を提唱しています。両者を組み合わせることで、安全に実施でき、かつ効率の良いCAMとして、様々な分野に応用できるのではないかと思っています。
最後に、、、個人的な趣味についてですが、アーユルヴェーダやヨガ、マインドフルネス瞑想などは日常的なストレスマネジメントとして実践しています。特にアーユルヴェーダは、現地にも日本にも精通した友人がおり、日本に居ながらもそれなりに深く学ぶことができています。また、宮田ゼミは武道の研究も行っていますが、私自身空手道二段を取得しており、研究のみならず実践も欠かさずに行うようにしています。