胡 宇航(修士課程1年生)
Hu Yuhang
プロフィール・研究紹介
現在、「新型うつ傾向とマインドフルネス」に関する研究を行っています。現代の大学生を取り巻く精神的ストレスの問題が注目される中で、「新型うつ」と呼ばれる新たなうつ症状が若者の間で見られるようになってきました。この新型うつに対する理解と、より効果的な治療法の模索は非常に重要な課題だと感じています。
新型うつは従来型のうつ病とは発症の仕組みが異なる点が特徴です。従来のうつ病では、脳内の神経伝達物質などに基づく明確な生理的指標があり、薬物療法によって症状の改善が期待できます。一方、新型うつには明確な生理的指標が見られず、薬物療法が必ずしも効果を示さないケースも多くあります。そのため、私は新型うつに対する代替的なアプローチとして、マインドフルネスに着目しました。
マインドフルネスは近年、心身の健康を促進する手法として科学的にも注目を集めています。マインドフルネスがストレスの軽減や感情の自己調整に効果的であることが実証されています。そこで、新型うつ傾向に対する介入手段としてのマインドフルネスがどのような改善効果をもたらすかについて実証的に検討したいと考えています。
具体的には、マインドフルネス傾向の強さと、「脱中心化傾向」「不安傾向」との関連を分析した上で、新型うつの特徴とされる「自己優先傾向」や「対人敏感」との関係性についても明らかにしたいと考えています。本研究を通じて、新型うつへの理解を深め、より実践的な支援方法の構築に貢献することを目指しています。