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受賞2024.10.31

日本心理学会第88回大会「学部生・高校生プレゼンバトル」でラ・サール高校の基島隆蔵さんがベストプレゼンターに選ばれました

 2024年9月6~8日に熊本で開催された日本心理学会第88回大会で、9月7日に若手の回企画の「学部生・高校生プレゼンバトル」が行われました。多くの学会では、修士課程以上の大学院生でない主発表者として発表できないことが多いのですが、日本心理学会は例年、こうした形で研究に関心のある高校生や学部生にも発表の機会を提供しています。コロナ渦ではこれらの大会もオンラインでの動画提供などの形が取られていましたが、この大会では対面に戻しての発表が行われました。


 基島隆蔵さんは、ラ・サール高等学校に所属されている2年生ですが、精神疾患に対する介入や神経科学研究に早くから関心を持たれており、学校が休業の時期などに早稲田大学の宮田研究室を訪問して勉強を進められています。ソマティック心理学の集まりなどにも参加され、科学の勉強と実践の両方で経験を積まれています。


 このプレゼンバトルでは、強迫性障害に対するマインドフルネスの介入研究を進展させるための研究計画を立案し、発表を行いました。VR(仮想現実)やバイノーラルビートといった、それぞれ視覚と聴覚に作用して心理的効果を持つと考えられる情報技術に着目し、それらをマインドフルネス瞑想の介入プログラムと組み合わせることで、強迫性障害傾向の低減を図るというものです。


 大学レベルの心理学における研究デザインや心理統計の学習まで射程に入れ、具体的に予想される結果まで含めた計画で、近年進展の著しいマインドフルネス分野に寄与する十分に優れた研究プロトコルであったと思います。これの内容が評価され、高校生部門賞の受賞という結果になりました。


 この研究室に関心を持って連絡される方は、大学学部生や高校生、社会人の方など幅広く、早期から本格的な研究活動に本気で関心を持たれる若手の方も決して少なくないことを実感します。私としては、そうした様々な段階で研究に興味を持たれている方にも、今の現状と意欲を考慮して、一歩先に進めるような導きができればと考えています。


 改めて、このたびの受賞、誠におめでとうございます!! 


基島 隆蔵・宮田 裕光 (2024). 日本心理学会第88回大会 若手の会企画「学部生・高校生プレゼンバトル」高校生部門賞「仮想現実とバイノーラルビートを組み合わせたマインドフルネス実践が強迫性障害傾向に及ぼす効果」2024年9月7日

この記事を書いた人
宮田 裕光
Hiromitsu Miyata

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